FRBはあと3回利上げし、ドル円は年末118円に BBHのマーク・チャンドラー氏に聞く
――年末のドル円相場をどのくらいと見ていますか。トランプ大統領が選挙期間中にいっていたように、FRBに圧力をかけるようなことはあるのでしょうか。
年末は1ドル=118円ぐらいだろう。かりに途中でドル円が120円になれば、FRBは利上げをするので、引き締め効果を持つ。
トランプ大統領はFRBに圧力をかける必要などない。現在空席となっている2人の理事はトランプ政権が任命するし、来年までには5人が入れ替わる。そのような形で、政権の意向に沿った形になっていく。それは日本銀行と同じだ。トランプ大統領はビジネスマンなので、経済の堅調が続けば、それに応じた緩やかな利上げ継続を好むだろう。
インフラ投資の規模に限界も。国境調整税は難しい
――既に経済が完全雇用の状況で、トランプ大統領の主張のように、インフラ投資を拡大し減税を行なって財政を拡張すれば、景気は加熱してしまうと思いますが。
リーマンショックで景気が大きく落ちこんだ後、東海岸や西海岸は回復した。しかし、トランプ大統領の支持基盤である中西部の中都市、ラストベルトはその恩恵を受けていない。日本でも東京は良いが地方都市は厳しいのと同様の状況がある。インフラの毀損も著しい。だから、公共事業はやるだろう。
ただ、彼の主張している1兆ドルといった規模が議会で通るとは思えない。共和党には成長重視派と財政重視派とがあり、フリーダムコーカス(Freedom Caucus、自由議連、伝統的保守派の集まり)の人たちは放漫財政に歯止めをかけたいと思っている。
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