東芝臨時総会、焦点は「エフィッシモ」の襲来 30日午前、半導体分社化を問う特別決議
本日3月30日午前10時、巨額赤字に揺れる東芝が千葉県千葉市にある幕張メッセで臨時株主総会を開催する。東芝は米国の原発建設会社を2015年に買収。建設費の増大で損失が膨らみ、2017年3月期の債務超過転落が避けられない見通しだ。
今回の臨時総会の決議事項は「吸収分割契約承認の件」のみ。東芝は2月に半導体部門を分社化し、完全子会社「東芝メモリ」(資本金1000万円)を設立した。この子会社に4月1日付で半導体事業の開発・製造・営業部門とともに99億9000万円の資本金を移管する。これにより、東芝メモリの資本金は100億円になる。
東芝はスマートフォンなどIT機器に欠かせない NANDフラッシュメモリの草分けで、現在でも世界シェア2位を誇る。半導体事業は現在の東芝にとって利益の大半を稼ぎ出す虎の子の事業だ。が、4月以降の債務超過回避のために、東芝メモリ株を売却する。3月29日に入札を締め切るなど、売却先の選定を急いでいる。
最大の焦点は「筆頭株主」の出席だ
虎の子を手放すことに東芝の取締役会で社外取締役から異論が出たとはいえ、この唯一の決議事項が株主総会で否決されれば債務超過回避は遠のく。このため、30日の臨時総会で東芝メモリへの半導体移管が可決される可能性は高い。
今回、東芝は自社サイトで「お土産、お弁当はご用意いたしておりません」としていることから、個人株主の多くが平日の朝に幕張まで足を運ぶとは考えにくい。したがって、出席者の少ない閑散とした総会となる可能性が高いが、ある株主が幕張の会場に現れれば、事情は異なってくる。
「ある株主」とは、3月23日に大量保有報告書を提出し、突如として東芝の筆頭株主に躍り出たエフィッシモ・キャピタル・マネージメント(以下エフィッシモ)のことだ。旧村上ファンド出身者が設立したファンドで、本社をシンガポールに置くが、主な投資先は日本企業である。
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