「ニンテンドースイッチ」で任天堂は蘇るか おもちゃ業界でこの春一番の注目株
約4年半ぶりに発売する据え置き型ゲーム機
マリオやドンキーコングはパワーアップして、セガがたどった破滅の道から任天堂を救うことができるのか?
任天堂は3月初めに世界同時発売した「ニンテンドースイッチ」に社運を懸けている。WiiU以来、約4年半ぶりに発売する据え置き型ゲーム機だ。
熾烈な競争が繰り広げられる世界のゲーム市場で、任天堂はゲームオーバー寸前だった。01年発売のゲームキューブの人気は散々で、多くの専門家が「任天堂はもう終わり」と書き立てた。06年に発売したWiiは体を使って遊ぶスタイルでゲームに革命を起こしたものの、12年発売のWiiUでは有名キャラクターのゲームソフトを投入せず、任天堂は再び瀕死の状態に。
それが今、ニンテンドースイッチで「リセット・ボタン」を押している。この新型ゲーム機はテレビに接続する「TVモード」、持ち運べる「携帯モード」、スタンドを使う「テーブルモード」の切り替え(スイッチ)ができ、価格は300ドル(2万9980円)。一度の充電で3~6時間持つ。
目玉はコントローラーの「ジョイコン」。本体の左右から取り外せば、2人で遊ぶことができる。対戦格闘ゲーム「ARMS」の場合は左右の手に持ち、画面の中のキャラクターの腕の動きをコントロールする。
28種類のゲームを収録するソフト「ワン・ツー・スイッチ」でも、コントローラーは独創的に使われる。このソフトが面白いのは、ビデオゲームからビデオをなくしたこと。例えば「ピンポン」では2人のプレーヤーが見えない卓球台を挟んで対戦。リアルな触感を再現する「HD振動」と音によって、見えない球が行き来するのを感じる。