マクドナルドの復活で見落とされがちな本質

「不祥事を消費者が忘れただけ」の見方は違う

結果的に、2014~2015年の経営危機が、大企業病で企業視点に陥りがちだったマクドナルド全体の意識を顧客視点に転換するきっかけになったといえるのかもしれません。

特筆すべきは、2016年のマクドナルドのマーケティングのスタイルも顧客視点で大きく変化している点でしょう。

筆者の勤めるアジャイルメディア・ネットワークが主催した「アンバサダーサミット2016」で、マクドナルドのマーケティング本部長を務める足立光氏が紹介してくれた話をいくつかご紹介しましょう。

基本的なマーケティング方法にも変化が

2016年のマクドナルドのマーケティング施策というと、ポケモンGOとのコラボ企画が注目されることが多いですが、マクドナルドが取り組んだのはそういった奇策だけではありません。実は基本的なマーケティングのアプローチが根本的に変わっているのです。

たとえばわかりやすいのが、商品パッケージの変化。2015年までのマクドナルドの商品パッケージは、基本的に商品名が左側で商品の写真や素材の写真が右側というグローバルでのパッケージデザインがそのまま使われていました。これが2016年には、満月月見バーガーであれば満月とウサギのイラストであったり、必勝の漢字が大きく印刷されたものであったりと、大きくデザインのスタンスが変わっています。

また商品名も2015年までは、カタカナで素材名を並べた長く覚えにくい名称が多かったところを、2016年は「名前募集バーガー」「裏メニュー」「必勝バーガー」「超グラコロ」など覚えやすい漢字のネーミングを中心に大きく変化しました。

こうした変更は、顧客がソーシャルで話題にすることを意識した視点と言えます。従来の商品名やパッケージは、商品の素材をいかにわかりやすく顧客に伝えるかに主眼が置かれていました。ただ、これは実は企業視点のアプローチです。商品の写真をソーシャルにシェアすることを考えたら、インパクトのあるわかりやすい名称と、それが伝わるパッケージデザインという組み合わせのほうが、はるかに重要になるわけです。

筆者の勤める会社は、何度かマクドナルドが実施している試食会のお手伝いをさせていただいていますが、昨年の試食会はそれ以前に比べても明らかに参加者がネタにしやすい商品が多い印象でした。

さらに象徴的なのは、ファン参加型のキャンペーンの増加でしょう。

「名前募集バーガー」がわかりやすい事例ですが、2016年のマクドナルドはいわゆる通常の広告企画以外に、多数のファン参加型キャンペーンが実施されるようになっています。特に2017年に入ってから実施された「第1回マクドナルド総選挙」がわかりやすい成功事例といえます。

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