JR東「自販機で飲料プレゼント」は普及するか

アプリで購入、SNSで「ドリンクの贈り物」

アプリ「アキュアパス」の画面(撮影:小佐野景寿)

ただ、説明会でも多くのメディアから疑問の声があがっていたが、この"アプリを通じた自販機の利用”、課題は少なくない。そもそも、せいぜい150円前後のドリンクを購入するために、わざわざアプリをダウンロードして個人情報を登録、そして自販機の前でもアプリを起動させて……というのは手間がかかりすぎる。

同社によるとSuicaによる購入が右肩上がりで増えているというが、それは小銭を取り出して投入するという手間が省ける点が大きなメリットだからだと思われる。アプリ「アキュアパス」の使用という一手間は、自販機を利用する上ではかなり大きなハードルになるだろう。

「いかに話題を提供できるかが重要」

さらに、同社が「人がつながる自販機」として押し出しているプレゼント機能にも課題がある。同社の担当者は「自販機の近くにいない人、例えば実家の両親が東京で働く子どもにプレゼントすることができたりする。その場所にいないと買えないのがこれまでの自販機でしたが、プレゼント機能で場所を超えることができる」と期待を寄せている。

だが、この機能を日常的に利用してもらうためには、“アプリで自販機を使う”というスタイルが多くの人に定着することが不可欠となる。イノベーション自販機は3月14日に第1号機を東京駅に設置するのを皮切りに、5月ごろまでに首都圏に約20台のテスト機を導入する予定だという。テスト期間とは言え、台数が少なく場所が限られていればアプリの利用も限られてしまうだろう。

もちろん、こうした課題は同社も充分認識しており、「いかに話題を提供していって、使ってみたくなる自動販売機であり続けるかが重要」と話す。

「機体そのものの真新しさや商品のラインナップにも工夫をしていく必要がありますし、キャンペーンなどでアプリを通じてドリンクをプレゼントするなど、お客様に利用していいただく機会を提供したい。アプリそのものも使いたくなるものを目指して常時アップデートをしていくなど、まだまだやるべきことはある。そうして仕掛けていかないと、普通のSuica専用自販機のままで終わってしまいますから」

次ページタイアップなどで幅広い可能性も
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