「おもてなし」という言葉の本当に大事な意味

相手の心に寄り添うことが最も大切だ

今回は「おもてなし」という言葉について考えます(写真:タカス / PIXTA)
浄土真宗本願寺派僧侶でありながら、通訳や翻訳も手掛ける大來尚順氏による連載『訳せない日本語~日本人の言葉と心~』。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けする。

注目を浴びた言葉

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

2016年10月末、観光庁により年間の訪日外国人観光客が2000万人を超えたという発表がありました。その数を実感するのは、私が講演や仕事で日本の主要都市をはじめ各地を訪ねると、よほどの地方地域でないかぎり、外国人観光客の方を目にする機会が多くなったためです。

昨年、紅葉の季節、講演のために京都を訪問しましたが、新幹線の駅のホームから中央改札を抜けてバスターミナルへ向かう途中、多くの外国人観光客とすれ違い、バス停でそれぞれの目的地行きのバスを待つ行列では、飛び交うさまざまな国の言語が耳に入ってきました。それは、一瞬、自分が観光客として外国に来たのではないかと錯覚するほどでした。政府は2020年には年間4000万人を目標としているようで、このような状況はさらに勢いを増すことでしょう。

このような状況の中、多くの外国人観光客を迎え入れる側の日本で見直されていることのひとつに「おもてなし」があります。2013年9月に開催されたIOC(国際オリンピック委員会)総会のプレゼンテーションで滝川クリステルさんがフランス語のスピーチの中で「お・も・て・な・し」と一字ずつ発音し、合掌されたシーンは記憶に新しいのではないでしょうか。その後、何度もメディアに取り上げられ、これまでホテルや飲食店などの接客業界隈という限られた領域でしか重要視されてこなかった「おもてなし」とういう言葉が、その領域を超えて日本の大切な精神のひとつとして見直されるようになりました。

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