日本株はなぜ米国株に比べてイマイチなのか

米国ほどの勢いはないが、下値も限定的か

一方、需給を見ると、海外勢が日本株を売り続けている。2月第1週まで、「3週連続売り越し」(金額は合計5600億円)は、2016年8月~9月以来と、約半年ぶりのことだ。海外投資家はいったん売りに転じると、しばらくは続くこともあるだけに、今後の売買動向が注目される。

また、国内勢に目を移すと、年金基金の売買を反映するとされる信託銀行もさほど積極的に買っていないことがわかる。さらに日本銀行による上場投資信託(ETF)の買い入れも一服しつつある。2017年1月の計8回(約5600億円)に対し、2月は14日現在で2回、約1400億円にとどまる。

米国株が過去最高値を更新しており、日本株ももう少し上昇してもいいように感じるが、日経平均株価からみた予想株価収益率(PER)は16倍に近づいている。日本株の相対的な割安感は薄く、総じて市場参加者は上値追いに慎重になっているようだ。

それでも日本株は春までジリ高が続く?

14日の日経平均株価は前出の通り反落となったが、今年の高値1万9594円(終値ベース)に接近していたことから、利益確定売りが優勢となった。東芝が2016年4~12月期の決算発表を1カ月延期申請したことも、投資家心理の悪化につながった。

ただ、東芝は特殊要因だ。足元では国内企業の決算発表も一巡しており、今後の焦点は、主に為替相場になりそうだ。欧州の政治日程や米国の利上げ観測などをにらみ、「リスク回避の円高」が進むのかどうか。

欧州については、市場はまず英国の欧州連合(EU)離脱問題がどのような展開を見せるか、注目している。すでに、英国の英下院ではメイ首相に欧州連合(EU)離脱通知の権限を与える法案を賛成多数で可決した。20日から審議が始まる上院でも可決すれば、法案は成立する。メイ首相は、3月9日に開幕するEU首脳会議(ブリュッセル)での離脱通知を目指しているとされるが、果たしてどうなるか。また、その後は、5月に決選投票が予定されているフランス大統領選を巡って、不透明感が強まる可能性もある。さらにイタリアの銀行の不良債権問題もくすぶりつつけている。

だが、確かに日本株も上値の重い値動きが続いているが、こうした欧州のさまざまなリスクに比べると、日本の政治リスクは当面低そうだ。これは今後、日本株のプラスに働くだろう。

日本株を、割高か割安かを測る複数の株価指標面からみると、当面の下値のメドは1万8700~1万8800円前後だろうか。仮にドル円レートが1ドル=110円台で定着した場合、2018年3月期の予想PER14倍水準(1万8799円)となり、2017年1月安値の1万8787円にほぼ重なる。

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一方、テクニカル面からみた下値メドは、1万7900~1万8600円程度か。これは、2016年11月安値1万6251円から2017年1月高値1万9594円(上昇幅3343円)の「半値押し水準」である(1万7922円)や中期投資家の売買コストとされる75日移動平均線(1万8622円:2月14日時点)が意識されると見るからだ。

今後、為替相場が安定的に移行すれば、の条件付きではあるが、日本株の下値は堅く、春までは底堅い動きを続けると筆者はみる。

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