日米首脳会談後は再びドル高円安になる? トランプ大統領の「ドル高牽制」はどの程度か
前回もお話したのですが、株価をもう一つ大事な「時間軸」でみると、ダウ平均は95日前後の期間で安値を付けるパターンが続いています。トランプ氏が大統領選に勝利する直前の安値である昨年11月4日を起点にして考えると、95日経つと、3月後半(3月21日-23日)になります。ダウ平均の安値の周期は、実は恐怖指数といわれるVIX指数(主に相場の下落時にボラティリティが高まり上昇する)の高値の周期と一致します。
ですので、上記の想定される高値(2万0958ドル)まで急速に上昇していく場合は、3月後半にはある程度ボラティリティが高まるような大きな下落があるかもしれません。一方、モミ合いが3月後半まで続く場合、踏ん張った分、5月に向けて上昇するのではないかとみています。
米中両国の景気は今後上振れする可能性
米国企業の決算発表と株価の関係を見た場合、企業業績が堅調にもかかわらず、あまり株価上昇の材料にならないまま、時間だけが過ぎていますが、3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)に向けて、株価の変動要因は次第に景気動向に移っていきそうです。
2月1日には1月分の米国と中国の製造業景況指数が発表されました。米国のISM製造業景況指数は56.0と2014年11月以来の高水準。また中国の製造業PMIも51.3と好調で、米中の合計で107.3まで上昇しました。実は、その合計数値の推移と、日経平均株価を並べると、連動していることがわかります。株価は景気の鏡ですから、当然といえば当然です。
米中の景況感は、2012年秋からの改善局面では2010年と2011年のそれぞれの最高水準をつないだ右肩下がりの「景気のトレンドライン」に阻まれた経緯があります。
当時の株価はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の買いで上昇するという特殊要因がありましたが、景況感の悪化が続き、結局、株価も大幅に下落していきました。
しかし、2016年に入ってからは再び改善基調が続いています。足元は、12月(105.9)、景気のトレンドラインに到達。1月の合計値107.3で若干上抜けるかたちとなりました。3月1日に発表される予定の「両国の2月の実績」でも改善基調が続くようですと、景気上振れ期待が強まりそうでう。そうすると、景気敏感株としての位置づけにある日本株も、5月に向けて面白い局面がくるのではないでしょうか。
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