相模鉄道が朝の列車を「あえて」減らしたワケ 本数や車両数削減で何が変わる?

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2000年度の段階では、相模鉄道は前述の区間で朝のラッシュ1時間あたり4万880人分の輸送力を備えていた。朝7時30分から朝8時30分までの1時間に30本の列車が設定され、うち26本は10両編成、残る4本が8両編成という内容である。残された輸送力増強策は全列車を10両編成で運転することくらいで、あとは新たな線路を増設しない限り、これ以上の輸送力増強は難しいと言ってよい。

2001、2002の両年度も相模鉄道はこの輸送力を保ついっぽう、通過人員が減少したおかげで2002年度の混雑率は137%にまで低下した。利用者にとってはありがたいことだが、相模鉄道は翌2003年度に輸送力を3万920人分へと引き下げてしまう。内訳は、1時間あたりの列車本数が30本から29本へと1本減り、うち23本が10両編成、残る6本が8両編成という内容だ。この結果、混雑率は140%へと上昇してしまった。

通過人員減少に合わせて輸送量引き下げ

翌2004年度は通過人員が減ったこともあり、混雑率は129%と「満員電車ゼロ」にまた一歩近づく。ところが、相模鉄道は2005年度に再び輸送力の引き下げを図った。1時間あたりの列車本数は29本から28本へとさらに1本減り、うち23本が10両編成、残る5本が8両編成となった結果、輸送力は3万7800人分となった。混雑率は142%へと急上昇してしまう。

相模鉄道は、なんと翌2006年度にも輸送力を3万6960人へと引き下げた。1時間あたりの列車本数は28本と同じながら、10両編成の本数は23本から20本へと減り、代わりに8両編成の本数は5本から8本となっている。この結果、1時間あたりの車両数は2005年度の270両(10両×23編成+8両×5編成)に対し、2006年度は264両と6両少なくなった。このため、混雑率はさらに上がって144%を記録した。

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