5年後、メディアは稼げるか? 田端信太郎氏と考えるウェブメディアの未来(上)

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今の社員を食わせるという発想ではしょうがない

――出版社側の発想では、300人社員がいるとすると、「その人たちを食わせないといけない」というところから始まります。しかし、紙に匹敵するレベルの人数を雇用し続けるのは、ネットの時代には難しいですよね。

現実的には、経営者の方々の悩みはよくわかるんですが、ゼロベースで読者目線や広告主目線で考えたときに、そんな人数はいらないし、今の人数を正当化できる理由もないですよね。

古来から、テクノロジーの進化というのはそういうものです。たとえば、かつては電話を取り次ぐ交換手がいたけれども、テクノロジーの進化によっていらなくなった。それをじたばた騒いでもしょうがない。今の社員を食わせることありきの発想は、しょうがない発想だという気がします。基本的には、一歩突き放して、個人が自分で考えるしかない。

今の時代は、エスタブリッシュメントの人たちには厳しいですが、ゼロベースで挑戦する人にはむちゃくちゃ面白い。かつては、5人、10人で面白いメディアをやろうと思っても、いろいろなボトルネックがあった。用紙を調達し、印刷して流通させるのがまず大変だったし、広告を売るとなると営業拠点を全国に設けなければならなかった。

でも今だったら、本当にいけているコンテンツやアプリをアップルストアやグーグルプレイなどのクラウドのプラットフォームに上げれば、いきなり大ヒットするというシンデレラストーリーも理論上はありうるじゃないですか。結局、LINEもそうですけど、スケールさせていくときにほぼ無限のレバレッジが効きますから。

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