街の駐車場で「鉄道信号技術」が使われている 老舗メーカー、日本信号の知られざる得意技
フラップ式でトップとなった技術面での強みは、鉄道関連製品を開発していたことが生んだと芙蓉氏・江原氏はいう。
「自社の特許技術と、パーク24と組んだことでシェアを爆発的に伸ばした。技術でのアドバンテージは、もともと鉄道関連製品を開発していたことに起因する。鉄道の世界では、20年、30年といった耐用年数が求められる。もともと耐久性が高い製品を生み出す現場だったからか、耐久性が高くメンテナンス性もいいということから受け入れられた」
近年は、ロック板がない「ロックレス・システム」や、電子マネー専用精算機などもリリース。ゲート式駐車場の世界ではQRコード応用や、チケットレス化も進んでいる。
こうした進化にも、鉄道の現場で培った技術がガッツリと横展開している。
「ゲート式駐車場の発券・精算の技術は、駅の券売機のシステムに似たもの。『読み取る機械』を駐車場でも使ってみようという発想で生まれた。チケットレス化は、きっぷから交通系ICカードに代わったように、Suicaなどでピッとやって入出場できるようにした例」だという。
鉄道からクルマ、航空へ……
鉄道からクルマ、さらには航空へと、日本信号は手を広げる。空港でも、利用者は知らず知らずのうちに日本信号の製品に触れている。
日本航空(JAL)の搭乗口で2次元バーコードをピッとかざすと、耳に残る電子音とともに通過できる、あのボーディングパスリーダー(BPR)も、日本信号製。さらに、着陸態勢の旅客機を滑走路へと誘導する進入角指示灯(PAPI)も同社がつくっているという。
腕木式信号機や転轍機の技術が駐車場のロック板を生み、フラップ式ではシェアトップへ……。「うまいことやってるなー」と唸るばかりの取材だった。さまざまな分野に進出している日本信号。鉄道信号分野をリードする企業をめざして生まれた日本信号は、鉄道で培った耐久性や信頼性、メンテナンス性の高さを他の分野へと活かし、陸へ、空と幅広い分野をリードする企業へと発展を遂げたのだ。
(写真は日本信号提供)
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