堀江貴文氏「僕が漫画をひたすら読む理由」

未来をつくる知識は、こうして身につける

また『宇宙兄弟』には、「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」という難病が登場する。身体中の筋肉を動かす神経が変性し、力が失われてゆく進行性の神経疾患だ。人間は、言ってみれば筋肉の塊だ。筋肉の働きで私たちは歩き、手で作業をし、言葉を話し、呼吸をする。それらすべての筋肉が次第に衰えてゆくことで、歩行が不能となり、身体の自由がきかなくなり、呼吸筋の機能不全によって呼吸困難を発症する。10万人のうち1~2・5人がかかるといわれており、いまだ治療法は確立していない。

作中では2人のALS患者が登場する。ひとりは伊東せりかという元女医の宇宙飛行士の父、もうひとりは六太・日々人に幼い頃から宇宙の夢を与えてきた天文学者・金子シャロンだ。

宇宙とALSと聞けば、真っ先に思い出すのは理論物理学者・ホーキング博士だが、小山さんは「宇宙で研究するとしたらどんな病気がありますか?」と、ある医師に聞いたことがきっかけとなり、ALSを描くことになったそうだ。ホーキング博士のことは後で知ったのだという。

そんな小山さんはある時、実際のALS患者に会って『宇宙兄弟』でのALSの描かれ方の感想を聞く機会があったそうだ。すると、症状や病気の発見のされ方など、すべてがリアルそのものだったという。そして患者からは「こうしてALSの認知が促されることで、社会での受け入れられ方が変わってくる。こんなに正しく伝わるのなら、これほどありがたいことはない」と絶賛されたという。

これからの「知識の身につけ方」

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マンガ作家の想像によって生み出された知識が、現実で多くの人に受け入れられ、感動を呼び、未来をつくる知識になる。これは大きな驚きであるのと同時に、これからの知識のあり方、身につけ方をも示している気がしてならない。

少し前は「マンガばっかり読んで遊んでいないで、勉強しなさい」と言われたかもしれない。しかし気づけば今、科学の最先端で起こっていることのほとんどは、昔マンガに描かれていたことばかりだ。

たとえ今はマンガの中の遊びでも、その中のいくつかは未来の仕事になり、ビジネスチャンスになる。そうした知識は、すぐれた作家の生み出す想像的知識に触れてみなければ身につかない。

私自身、いろんな本を発表したりメルマガで発信している物事の中で、かつてマンガに描かれていたことが実際に未来をつくっていく様子を何度も見てきた。遊びとはつまり、想像の中の知識を身につけるための頭の運動であり冒険なのだ。

そして今、遊びと仕事の境界は失われつつある。マンガはそのことを教えてくれる格好のメディアなのだ。

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