トヨタとホンダの「考える車」は何が違うのか 米「CES」で示された次世代コンセプト

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人工知能技術「感情エンジンHANA」を搭載

偶然にもこの2台、ドライバーの感情などを安全や楽しさに役立てるために人工知能(AI)を活用している点が共通している。パートナーロボットの世界で実践していることをクルマに盛り込んだような形だ。

具体的には、ドライバーの表情や声、動作などをデータ化し、疲労やストレスを感じた時には自動運転モードに移行したり、その人の嗜好に合ったルート案内を行ったりするものだ。つながるクルマのさらに先を行く、考えるクルマと言えるかもしれない。

ホンダではこのために、世界初公開となる人工知能技術「感情エンジンHANA(ホンダ・オートメーテッド・ネットワーク・アシスタント)」を搭載。トヨタでは搭載する人工知能をエージェントと呼んでいる。

2台の違い

ただしそれ以外の部分では、2台に違いも見られる。トヨタのConcept-愛iは所有するクルマであると想像されるのに対し、ホンダのNeuVはライドシェアにも使われると明言していることだ。

クルマは工業製品の中では「愛車」と愛を付けて呼ばれる珍しい存在だ

トヨタの代表取締役社長、豊田章男氏は「クルマは工業製品の中では『愛車』と愛を付けて呼ばれる珍しい存在」と口にしている。Concept-愛iと、あえて愛とiを並べて表記した車名はそれをアピールするものであり、愛する存在であればいつも手元に置いてあることが想像できる。

これに対してホンダの研究開発部門である本田技術研究所の松本宜之社長は、ホンダは「技術で人の役に立つ」「人々に喜んでいただく」ことに注力してきたとCES会場で語った。その結果が、所有者が使用しない時間には自動運転で移動しライドシェアを行うという考えに結び付いたのだろう。

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