デキるビジネスマンは「STEAM」を学んでいる 今からでも間に合う、成毛流「出直し」大作戦
アートをより身近にするには、STEMに対するのとは別のアプローチが必要だ。私は古いものより新しいもの、古典より現代の作品に触れるほうがいいと思う。
中高年が何時間も行列をつくっている古典作品の展覧会に行くのなら、比較的空いている美術館やギャラリーでゆったりと現代アートに触れるほうをおすすめしたい。
現代アートには「インスタレーション」(空間芸術)という表現方法がある。1970年代から始まったインスタレーションでは、空間そのものを作品にする。
古典芸術に比べるとインスタレーションは、より現代人の心の深いところにある潜在意識を刺激すると私は思っている。だから、自分の潜在意識にある革新的なアイデアを表面化することに役立つ。
マーク・ザッカーバーグはSF小説に発想を得る
STEAMの知識が豊かになりさえすれば、必ずしも明るい未来が待っているわけではない。
STEAMの知識はパーツであり、それぞれに関連性を見いだし、組み合わせて活用する手腕、それを支える思考回路が欠かせない。
そのためには、STEAMの知識とは別に「想像」と「創造」のふたつの力が欠かせない。言い換えれば、「イマジネーション」と「クリエーティビティ」の力ということになる。
だからといって、イマジネーション力養成講座や、クリエーティブ能力開発塾のようなものに通っても意味がないだろう。
両方とも小手先のテクニックでは養われない力だからだ。
ゼロから唯一無二のイチを生み出すような力は、常識にとらわれず、他人が選ばないような道を突き進み、ときに失敗しながら経験値を上げるしかない。
このプロセスはAIには代替できない、人間にしかできないことである。
しかし、ひとりの人間が一生のうちに体験できる事柄には限りがある。失敗をして経験値を上げても、それを生かすチャンスが訪れる前に寿命を迎えてしまうことだって十分に考えられる。
だからこそ、他人の経験値を疑似体験することが生きてくる。
では、どのように疑似体験するかというと、 「フィクション」。たとえば小説を読むことが生きてくる。
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