なぜか「すごい!」と言われる人の話し方 正しいかどうかでは、人の心はつかめない

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また、ハーバード大学の教授たちは、学生たちにより関心をもってもらえるよう、授業では工夫をこらして話すのは当たり前ですし、あのパウエル元国務長官も、士官学校で講師をやることになったときにはまず、生徒を寝かさないためのテクニック、声のピッチやボディランゲージ、歩き方などを徹底的に教わったそうです。

米国では、エリートになりたい人にとって、パブリック・スピーキングは必須のスキルなのです。

ではここで、今すぐできる「プレゼン力アップ法」を紹介しましょう。

今すぐできる「プレゼン力アップ法」

(1)プレゼンはコミュニケーション。着地点は「共感」

プレゼンはコミュニケーションです。プレゼンの着地点は、完璧なパフォーマンスをすることではありません。聞き手から望んだとおりの反応を引き出すこと、聞き手に共感してもらうことが着地点です。

そうである以上、単に「話す」だけではダメです。相手の立場に立って考えなければなりません。相手の立場に立って考えて話すというのは、皆さんも普段の会話で当たり前のようにやっていることです。たとえば、

・わざわざオチを先に言わない

・相手の反応を見て話す

・相手の目を見て話す

など。日常会話で自然にできていることが、いざプレゼンやスピーチとなるとできなくなる……という人が日本には多いようですが、とてももったいないことだと思います。

最悪なのは、「早く終わらせたい」という気持ちでいっぱいのプレゼン。そういう気持ちは、表情から、声から、聞き手に伝わってしまいます。早く終わらせたいコミュニケーションなんて、相手に失礼すぎるじゃありませんか。

(2)原稿を読まない

せっかく皆に集まってもらったのに原稿を棒読みするだけで終わらせるなら、プレゼンは取りやめにして、同じ内容をメールで送ったほうがいい。そのほうが親切というものです。

ケータイ、ネット、SNSなど、今の時代は相手に実際に会わずにやりとりできるコミュニケーション・ツールがたくさんあります。そんな時代に「会って話す」というのは、とてつもなく贅沢なことです。せっかく時間を割いて足を運んでくれるのです。相手の立場で考えたうえで、目を見て、「直接話すからこそ伝わる」ように話す必要があります。

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