トランプ氏は有権者のわずか38%しか彼を好意的に受け止めていないにもかかわらず、選挙で勝利した。大統領選の投票日における60%という不支持率は、大統領選で勝利した過去の大統領の中でも圧倒的に高い。同氏が当選したのは、彼を批判的に見ながらも投票した人が15%もいたという事実があるからだ(それは、裏返せばそれだけヒラリー・クリントン氏が「不人気」だったからだとも言える)。
対照的にバラク・オバマ大統領は、2009年に支持率68%でホワイトハウス入りし、これが賛否両論あった医療制度の改革に手をつけ、議会でこれを押し通す能力が彼にあるということを示したのである。
すべての閣僚を就任させられるのか
世論調査員であるデビッド・ウィンストン氏に言わせれば、「トランプ氏がほかの大統領のようにうまくやれていないのは明らか」だ。「好意よりも批判の多い次期大統領はこれまでいなかった。そういう意味では、非常に厳しいスタートと言える」。
歴史的に米国の次期大統領が閣僚の指名において、議会から反対され、就任させられなかったことはほとんどない。民主党は今のところ、トランプが司法長官に指名している上院議員のジェフ・セッションズ氏について反対の姿勢を見せているが、上院議員は現職や前職のメンバーによって守られるという長い伝統があるため、同氏もその恩恵を受ける可能性が高い。
一方、教育やエネルギー、労働など各省トップ候補は、猛烈な反対にあうことが見込まれる。中でも、国務長官に指名されているティラーソン氏が就任するには一悶着ありそうだ。なぜなら、彼はプーチン大統領と極端に親密な関係を築き、ロシアのビジネス界とも近しいとの懸念を持たれているからである。
すでにワシントンでは少なくとも、3つの政治派閥がロシアによる米大統領選干渉疑惑に対して、議会で声を上げようとしている。
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