SNSが使い放題、「LINEモバイル」は使えるか? 「カウントフリー」が斬新といえるワケ

拡大
縮小

カウントフリー対象のサービスを見てもわかる通り、LINEモバイルはネット上でのコミュニケーションを重視している。SNSをよく利用する人が通信費を抑えられるのはもちろんだが、より大きいのは、高速通信容量を使い切ってもSNSだけは快適に利用し続けられる安心感があることだ。これこそ、カウントフリーを導入した最大の狙いといっていいだろう。

そもそもLINEがなぜ、畑違いの通信事業に参入したかといえば、日本でスマホの普及率を高めるためだ。コミュニケーションアプリで圧倒的なシェアを持つLINEにとって、スマホ利用者が増えることは、LINEの利用者が増え、さまざまなサービスが利用されることにつながる。

そこでLINEは自らMVNOとなって低価格の通信サービスを提供。カウントフリーの仕組みを導入することで、スマホ初心者に対して安心感を与え、ハードルを下げる狙いがあったわけだ。

カウントフリーの是非は?

だが、カウントフリーは、通信事業者や識者の間でも導入の賛否が大きく分かれ、その扱いは難しい。

理由は大きく2つある。一つは、何らかの形でユーザーの通信内容を参照する必要があることから、「通信の秘密」を侵すとして問題視されていること。もう1つは、特定サービスだけを優遇することが「ネットワーク中立性」を失うことになり、新しいネットサービスが生まれにくくなる、として懸念されていることだ。

LINEモバイル側も、導入に向けて関係省庁に相談したり、契約前の説明を丁寧にし、同意が得られなければ契約できないようにしたり、カウントフリーの実績を持つMVNO大手のNTTコミュニケーションズが同社の事業を支援していることを明らかにするなど、慎重な対応をとっている。それでもなお、カウントフリーは今なお多くの議論を呼んでいる。LINEモバイルには今後も真摯な対応が求められそうだ。

次ページ年配層をどう取り込むのか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT