ディズニー客を狙う「ホテル大量開業」の全貌 新浦安、舞浜地区で計画が続々、ラブホも転換
開発ラッシュを迎えているのは新浦安地区だけではない。TDRに最も近い舞浜駅周辺でも同じ状況だ。大手旅行会社HISは2017年3月15日には「変なホテル2号舞浜 東京ベイ」を開業する予定。ハウステンボス(長崎県佐世保市)の「変なホテル」で培ったロボットホテルのノウハウをつぎ込んだ、宿泊特化型ホテルとなる見通しだ。
TDRに最も近く、舞浜駅の高架下にある「ホテルドリームゲート舞浜」(JR東日本の子会社が運営)は別館を建設中だ。
熱狂はいつまで続くのか?
さらに、舞浜駅から徒歩20分ほどの距離にあったラブホテルが旅館業法の許可を受け、ホテルに転換。今年7月にリニューアルオープンしたことは周辺のホテル関係者を驚かせた。
動向が注目されるのが「東京ベイNKホール」の跡地。2013年12月にオリエンタルランドが約93億円での取得を発表、現在は更地になっているが、立地としてはホテルが最適のため、関係者は強力なライバルが出現するのではないかと気を揉んでいる。
こうした開業ラッシュを受けて、東洋経済の推計では、TDR周辺の客室数は2015年の約0.88万室から、2018年には約1.1万室近くに膨らむ見込みだ。
だが、課題もある。宿泊客のほとんどはTDR目当て。「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」「ホテルオークラ東京ベイ」などの舞浜エリアは1990年代前後に計画され、婚礼のできる豪華な宴会場や高級レストランを持つリゾートホテルの造りだ。
宿泊客の多くは、「朝8時開園に合わせてホテルを出て、帰ってくるのも夜の10時過ぎ」(あるホテル首脳)。レストランや宴会など飲食部門の稼働率が弱い。そこでシェラトンはペットの犬と泊まれるANNEX棟を増設し、この12月に開業。オークラも客室の改装に着手するなど、競争力の強化に乗り出している。
後発の新浦安や舞浜駅周辺で新設・改装中のホテルは、大型の宴会場や高級レストランを極力縮小。宿泊特化型ホテルで効率化する。だが、TDRまでは専用の送迎バスでも15~20分近くかかる。
TDRは今年も順調な入園者数を維持しているが、栄華がいつまでも続く保証はない。ディズニー周辺ホテルはTDRと一蓮托生だ。“夢の国”の周辺で、熱狂はいつまで続くのか。
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