ディズニー客を狙う「ホテル大量開業」の全貌 新浦安、舞浜地区で計画が続々、ラブホも転換
もともとは2005年に開業した「パーム&ファウンテンテラスホテル」だったが、開業後わずか10年ほどで全面改装に踏み切った。ミリアルリゾートは、TDRが間近な舞浜エリアで「東京ディズニーランドホテル」「ディズニーアンバサダー ホテル」「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」という、3つのホテルを運営している。
4番目のディズニーホテルはやや安め
これらの3つのホテルは、最もランクの高い“ディズニーホテル”の位置づけにある。どこも客室単価は、1室で1泊5万~6万円と高額なのに、年間稼働率が90%台の盛況ぶり。
その中で相対的に価格が安いディズニーホテルを開業することで、「顧客の選択肢をもっと増やす」と久保哲也・セールス&マーケティング部長は狙いを説明する。
リニューアルしたセレブレーションホテルがあるのは、TDRまでバスで15分と離れた場所。改装に約40億円かけ、4つ目のディズニーホテルへと格上げされたが、内装はやや簡素でレストランは朝食だけを提供する宿泊特化型だ。客室単価は約3万円とファミリーにも利用しやすい。
その近くでは東急ホテルズが運営を予定する「東京ベイ東急ホテル」が2018年の開業に向けて建設中。大和ハウス工業が所有する「ラ・ジェント・ホテル東京ベイ」は12月23日に開業を迎えた。
さらに近隣では「三井ガーデンホテル プラナ東京ベイ」が2015年に客室を全面改装、「ホテル エミオン 東京ベイ」も新館を増設中だ。計画の詳細は不明だが「新浦安ホテル計画」も存在する。
新浦安エリアでホテル建設ラッシュを迎えているのはTDRの好調が背景にある。TDRの入園者数は1983年の開園当初は1000万人台だったのが、2014年以降は3000万人を突破。オリエンタルランドは今後も年500億円程度の設備投資を継続する計画で、映画『美女と野獣』『ベイマックス』をイメージしたアトラクションを増設するなど、話題作りに余念がない。
大手ホテルコンサルティング会社ホーワスHTLの高林浩司氏によれば、過去の実績から見ると、入園者のうち周辺のホテルに宿泊する人の割合は約23%だという。年間入園者が約3000万人として、約690万人が泊まっている計算になる。近年、TDR周辺のホテルでは、連日満室の日が珍しくない。「このエリアは“鉄板”マーケット。泊まりたくても泊まれない超過需要が発生している」と周辺のホテル関係者は言う。
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