原発処理21.5兆円、東電支援策は不安だらけ

前回支援策と同様、再破綻の可能性がある

世界最悪レベルの事故を起こした福島第一原発(代表撮影)

東京電力ホールディングスが引き起こした福島第一原子力発電所事故の費用が、ハイペースで増え続けている。

経済産業省が設けた「東京電力改革・1F問題委員会」(以下、東電委員会。伊藤邦雄委員長=一橋大学大学院特任教授)は12月9日、廃炉や汚染水対策、被災者賠償、除染などに必要な総額が21兆5000億円に達するとの見通しを示した。

費用総額は2014年1月に示した従来見通しの11兆円からわずか3年間で倍増した格好だ。賠償などに充てるための政府による交付国債枠は2012年5月時点の5兆円から2014年1月に9兆円、そして今回は13兆5000億円に膨れあがった。

廃炉費用が4倍の8兆円に

費用総額の見積もりでは被災者賠償費用が従来の5兆4000兆円から7兆9000兆円に増大するほか、放射性物質に汚染された宅地や農地などの除染費用が2兆5000兆円から4兆円に膨らむ。除染で発生した土砂や廃棄物を保管・減容化する「中間貯蔵施設」の整備に必要な費用も、従来の1兆1000億円から1兆6000億円に増額した。

数ある費用項目の中で最も膨れ上がったのが、従来2兆円と見積もられていた廃炉・汚染水対策の費用だ。原子炉の炉心から格納容器の底部に溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに前例のない難しさがあることが分かってきたことを理由に、8兆円という試算が示された。米スリーマイル島事故と比べた場合、25~30倍に相当するという。ただしこの数字は専門家などへのヒアリングに基づいて“仮置き”したものに過ぎず、実際に8兆円に収まるかははっきりしない。

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