そんな白須さんも、本社での内勤業務にはすっかり慣れ、2016年には国際営業部に異動することになった。この部署では米ニューヨークと豪シドニーに新設されるオフィスを立ち上げる際の社内規定の作成にたずさわる。現地の法律事務所やコンサルタントと打ち合わせをしながら、現地の国の労働法に則った規則を作らねばならず、非常に骨の折れる仕事だったという。
「大学で法律を勉強したことが、ここでようやく生かされました」と白須さんは笑う。実は彼は小学、中学と海外で暮らしていたので、英語は堪能。広島に勤務していたころは、英語のスピーチ大会で優勝した経験もあり、TOEICは975点だという。
入社4年目の今年は主任に昇格。部下はまだいないが、同期の中で最も早い昇進だという。実に輝かしいキャリアを歩んでいる白須さんだが、出世欲に燃えたモーレツ社員といった雰囲気をまったく感じさせないのは、入社当初にホテルの最前線で働いた経験が彼の物腰を柔らかくしているからなのか。
「ありがとう」と言ってもらうための仕事
「自分ではよくわかりません(笑)。ただ、ホテルの現場と裏方の仕事と両方を経験したことで、どちらにも共通点があることを、今は実感しています。それは人に『ありがとう』と言ってもらうための仕事をしているということ。お客様から『ありがとう』と言われることもうれしいですが、全国の事業所で働くスタッフのために働くのにも、同じような醍醐味はあります」
プリンスホテルでは、本社が決めた一定の目標などは守りつつも、実際の運営については、それぞれの地方によっての特色を生かしながら独自の路線を打ち出すことが多い。本社はそのサポート役にまわることも多い。「つまり私の仕事のミッションは、『CS(Customer Satisfaction)=顧客満足』から、『ES(Employer Satisfaction)=雇用者満足』に移ったとも言えそうですね」
もちろん、ホテルの現場でキャリアを積み、接客のプロを目指す社員も多くいるだろう。ただプリンスホテルは、スキー場やゴルフ場なども運営し、また事業所の立ち上げや他社との提携などプロジェクト単位で働くこともある。さらには、他の西武グループ会社へ出向の可能性もあり、キャリアプランの選択肢は非常に多い。
「せっかくプリンスホテルに入社したからには、いろいろな仕事を経験したいと思っています。この会社には、まだ自分が知らない、未知の領域がたくさん広がっているはずですから」と白須さん。今後もホテルの現場で鍛えたサービス精神を発揮し、さまざまな分野に挑戦していくのだろう。
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