「バイラルメディア」のバブルは弾けたのか 関心を失うメディアバイヤーの本心

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数年前とは異なり、バイラルサイトと新たな関係を結ぶ大手広告主の噂を、定期的に耳にすることはもはやなくなったとシェイファー氏。考えられる理由のひとつは、Facebookがアルゴリズムを変更して以来、「広告主は、プラットフォーム依存型のパブリッシャーに支出する媒体費のどれだけが、コンテンツ制作と比較してコンテンツ配信に回されているのだろうかと疑問を抱きはじめている」からだと、語る。

一方、グリフィン氏によると、バイヤーが広告費をバイラルウェブサイトからプレミアムパブリッシャーに移したもうひとつの理由は、バイラルウェブサイトでは「ビューアビリティとアドフラウドが深刻な問題である」ためだという。

ソーシャルプラットフォームに依存しているとトラフィックが変化しやすいため、フィールグッド系のパブリッシャーにとっては、リーチの規模が常に問題となりうる。アドエージェンシーのクレイマー=クラッセルトでデジタルストラテジー部門のディレクターを務めるステファニー・エスティーズ氏によると、同社がネイティブアドのバイラル化を望むときには、キャンペーンがインスピレーションをテーマとする場合にのみ、フィールグッド系のバイラルパブリッシャーを利用するという。

そうでない場合、クレイマー=クラッセルトは、ネイティブアドのプラットフォームを手がけるシェアスルーやアドテクノロジー企業のトリプルリフトなどのサービスを利用するそうだ。これらのサービスは、リーチの規模と、収益性の高いクライアントのウェブサイトにユーザーを呼び戻すという点で優れているのだという。

リトルシングズという例外

この1年間、大半のバイラルパブリッシャーは不安定なトラフィックを抱えてきたが、明らかな例外がひとつだけある。リトルシングズは9月、10月と過去最高のトラフィックを獲得した。同社の広報担当者はさらに、11月は対前月比で10%増加するだろうと予測している。またリトルシングズは、2015年の2500万ドル(約28億円)から2016年の約5000万ドル(約56億円)という2倍近い売上の伸びも見込んでいる。

小規模なフィールグッド系サイトとは異なり、同社はキュレーションよりもコンテンツ制作に重きを置いてきた。また同社は、独自のアルゴリズムを駆使して、コンテンツを配信する前にバイラリティーのテストも行っていると、リトルシングズでプレジデント兼最高執行責任者を務める、グレートヒェン・ティビッツ氏は語る。

ティビッツ氏は、ここ最近のトラフィックの増加を、物議をかもした米大統領選の話題を避けた人々が、リトルシングズを訪問しただけと捉えることに難色を示す。「実際に我々は、政治とは無縁で、ブランドにとって安全な環境を求める広告主を呼び込んできた」と、指摘した。

Ross Benes (原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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