「バイラルメディア」のバブルは弾けたのか 関心を失うメディアバイヤーの本心
だが、必ずしもすべてのバイラルパブリッシャーに、アップワージーのような提携先ブランドがあるわけではない。また一般に、コンテンツをマネタイズするパブリッシャーの能力は、ソーシャルプラットフォームでは自社サイトよりもはるかに大きく制限される。
トラフィックが失速した理由
ニュース記事リサーチ会社のニュースウィップがまとめた以下のデータは、フィールグッド(ほっこり)系パブリッシャーの大半が、フェイスブックに投稿した記事に対するインタラクション数を対前年比で増加させたことを示している。ただし、このデータは、インスタント記事をパブリッシャーのウェブページに表示される記事と区別していない。
したがって、たとえフェイスブックのインタラクション数が増加していても、インターネット調査会社のコムスコアとアナリティクス企業のシミラーウェブのデータが示すように、パブリッシャーのウェブサイトを訪問するユーザー数が減少していることを否定できないのだ。
これらの一部のトラフィックが失速してきた理由のひとつは、プラットフォームに大きく依存しているだけでなく、ユーザーの親類縁者の投稿がパブリッシャー投稿よりも目立つようにフェイスブックがアルゴリズムを変更したため、パブリッシャーがオーガニックリーチを増やしにくくなったことだと、デジタルエージェンシーのディープフォーカスで最高経営責任者を務めるイアン・シェイファー氏は語る。
アドエージェンシーGSD&Mのブロードキャストリサーチ部門でアソシエートディレクターを務めるジル・イシャーウッド氏も、プラットフォームのユーザーが増えるペースを上回るペースでバイラルサイトが現れているため、バイラルコンテンツ分野は過密状態にあるという。「クリックベイト(釣り記事)に対する疲労も起きているのではないだろうか」と、イシャーウッド氏は説明する。