韓国・朴槿恵大統領、往生際の悪い退陣表明

「進退は国会に任せる」と最後までしがみつく

11月29日、「一時でも私的利益を追求したことはない」と談話で言い切った朴槿恵大統領と、その模様をテレビ画像で見る人々(撮影:共同)

一大スキャンダルで窮地に追いやられた韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領がさらなる一手を打ち出した。11月29日、朴大統領が自らの進退について「私の大統領職の任期短縮を含む進退問題を国会の決定に任せる」と発表、”事実上の辞任”をにおわせたのだ。

実業家で朴大統領の長年の友人である崔順実(チェ・スンシル)氏が大統領府から国家機密を受け取り、また彼女が多額の不正資金授受に関与していたとされるスキャンダルに関し、国民への談話発表は、10月25日と11月4日に続き、これで3回目となる。

「与野党の政界が議論し、国政の混乱と空白を最小化して安定した政権へ委譲できる方案を言ってくれれば、その日程と法手続きに従って大統領職から身を引く」と朴大統領は述べた。結局、自ら大統領を辞めるという発言はなく、国会に今後を任せるということだ。

朴大統領から任された与野党・国会は、これまで野党が推進してきた弾劾訴追案の可決へと傾いている。現段階で弾劾訴追案は、12月1日に国会発議、2日投票が予定されているが、朴大統領の今回の一手によって成立するかどうか微妙になった。

与党の非朴派は訴追案に揺れる

弾劾訴追案は定数300ある国会議員のうち、3分の2(200議席)以上の賛成を必要とする。しかし、野党と無所属議員を合わせても171議席。今回の朴大統領の談話発表までは、与党セヌリ党のうち、40人ほどの「非朴派」とされる反大統領的な立場を取る議員が、弾劾訴追案に同調するものと見られていた。

が、今回の朴大統領の談話で、非朴派の40人の動きが不透明になった。与党内が分裂することは、今後の大統領選などを考えると、不都合なことが多い。党内の非朴派に対する説得が2日の票決までに強く行われ、態度を変える議員も出てきそうな動きだ。非朴派の半数以上が弾劾訴追案に同調しなければ、訴追案は成立しないことになる。

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