Facebookがアドサーバーから撤退したワケ かなり堅固なGoogleの「独占」
苦戦が続いてきたフェイスブックの「アトラス」
フェイスブックは11月18日(現地時間)、「アトラス」のアドサーバー事業を停止すると発表した。
フェイスブックは2013年にアトラスを買収。当時、フェイスブックは閉鎖的な自社プラットフォーム内に収益性の高い広告エコシステムを構築しており、その外にあるディスプレイ広告におけるグーグル傘下のダブルクリックの「独占」に迫ろうという目論見だったが、壁は高かったようだ。
パブマティックがeマーケターとモルガンスタンレーのリサーチを独自に分析したところによると、グーグル、フェイスブックはデジタル広告費の46%に当たる890億ドル(約8兆9000億円)を握り、54%に当たる1060億ドル(約10兆6000億円)を残りのパブリッシャーが分け合っている。しかも、2社でデジタル広告費の伸びの85%を占めている。
今回の撤退で、両者が互いの勢力圏に余り干渉しない構造になった(フェイスブックはオーディエンスネットワークを残しているが)。
アトラスは苦戦が続いてきた。リサーチ企業データナイズの分析によると、米国でのダブルクリックのアドサーバー市場シェアは75.5%。アトラスは2.4%に留まる。