「ハイブリッド型」腕時計が急成長できる理由 フォッシルは試金石となれるか

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活動量計としての歩数カウントは、レイヤー処理でアクセントが加えられた小メーター部にアナログで表示され、いつでも目標達成度を確認できるほか、メッセージやメールの着信通知が来ると、それぞれあらかじめ指定した位置へと針を動かし、誰からの通知なのかが判別できるようになっている。

たとえば「A(SKAGENの場合は白)」は家族からの連絡、「B(同:淡グレー)」は直近の仕事関係者など、3種類のグループに分けて、通知したい連絡相手をスマートフォン上のアプリで登録しておけば、ある程度、“スマホを見るべきか否か”の判断にはなる。

通知があっても、誰からの連絡なのかは具体的には示されない。これを不便と思うようならば、ディスプレー型スマートウォッチのほうがいいだろう。しかし、特定の相手の通知さえ判別できればいいといった割り切った考え方ならば、むしろ無用な情報がない分、使いやすいこともある。誰からの連絡なのか、自分以外はわからないのも好ましい。

実際、腕時計に通知が入るということは、手元近くにスマートフォンがあるのだから、詳細な情報を閲覧したり、それに対して何らかの反応をしたいのであればスマートフォンを取り出したほうが、たいていは手早く目的を達成できる。

シンプルな機能と時計らしい外観以上に、ディスプレー型スマートウォッチとの差異化になっているのがバッテリー持続時間だ。使用状況にもよるが、メーカーの公式な数字としてはボタン型電池だけで6カ月稼働する。クォーツウォッチとしては短いが、基本、毎日充電して使うことが前提のディスプレー型スマートウォッチと比べるべくもない。

電池交換が自分で簡単に行える

本機の裏ぶたはコインで開け閉めできる

また、本機で使うCR2430というリチウム電池は、電子機器向けのバックアップあるいはメモリ保持電源として一般的なもので、1個100円程度と安価だ。まとめ買いならば10個300円ほどで売られている場合がある。さらに本機の裏ぶたはコインで開け閉めできる簡素な構造であり、電池交換に手間のかかる一般的なクオーツ時計よりも、電池交換のハードルが極めて低い。

リチウム電池はアルカリ電池とは異なり、保存性が高いためまとめて何個かを買っておけば、駆動するバッテリーに悩まされることはいっさいないだろう。ディスプレー型スマートウォッチも、2日に1度程度の充電で使える機種が増えてきているが、本機と同程度の使い勝手になるのは当面先のことになるはずだ。

ただし、フォッシル製のハイブリッド型スマートウォッチムーブメントにも弱点はある。

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