グーグルAMPは「効果てきめん」といえるのか 媒体社からは驚きの声「常軌を逸している」
パブリッシャーたちは、フェイスブックのインスタント記事への関心をなくしつつあるいま、グーグルのAMP(アンプ:Accelerated Mobile Page)に熱狂しはじめている。
2016年2月、グーグルはモバイルWeb高速化プロジェクトのAMPを提供開始。パブリッシャーたちは、自らのページにグーグルのオープンソースコードの導入を急いだ。というのも、リファラルトラフィック全体の40%近くが依然として、グーグル検索によって生み出されており、オーディエンスがモバイルにシフトするなか、モバイルページの素早い表示が、検索結果で優位な位置に立てることを、パブリッシャーは知っているからだ。
「我々はAMPを気に入っている」と「スリリスト」のエディトリアルディレクター、ベン・ロビンソン氏は語る。「スリリスト」は検索トラフィックの15%をAMPから獲得しており、その検索トラフィックは3分の1以上も上昇している。このトラフィックの内実は、ニュース記事よりも、よりライフスタイルに関する記事に顕著に見て取れるという。ニュース重視の「USAトゥデイネットワーク」では、AMPはすべてのモバイルページビューの12%を生成していると、同社のデジタルシニアバイスプレジデントのマイケル・カンツ氏は述べた。
驚きのトラフィック還元率
AMPは、「ザ・バージ」のメディアミックスでも大きな役割を果たすようになっており、同社エディターのニライ・パテル氏は、9月にはトラフィックの14%を占めたと語る。また、その結果を公にすることを望まない、ある大規模パブリッシャーの幹部は、AMPページは95%も高速に読み込まれ、直帰率は通常のモバイル検索流入よりも50%以上低くなっているという。「それはまったく常軌を逸している」と、その幹部は述べた。
SEOコンサルティング会社、ディファインメディアのデジタルメディアバイスプレジデント、シャザド・アッバス氏は、「いまやAMPはパブリッシャーの検索トラフィックの10%から15%を占めている。グーグルがAMPを拡大していくにつれ、そこからの流入増大も確実視されることになり、安定性に欠けるソーシャルトラフィックにパブリッシャーが頼らなくなる可能性がある」と、コメントしている。