しかし、成長度合いは大きいものの、日本の消費全体に占めるEC化率は、わずか3%程度にすぎない。比較的進んでいる米国(5~6%台)と比べても、日本の水準はまだ低い。この背景には、①買い物の楽しさ、エンターテイメント性はリアル環境が勝る、②ネット環境における決済や情報漏えいへの不安――などがあるとされる。ただし、①、②とも改善の余地は十分にある。今後たとえば、バーチャル空間でのリアル疑似環境や、スマートペイメント(キャッシュレス化)といったICT(情報通信技術)のイノベーションが進めば、消費者心理のハードルを徐々に押し下げていく可能性は考えられるからだ。
市場拡大の鍵を握るのはモバイル
また、スマホやタブレット端末などモバイル機器の普及、地下鉄や地下街でのインターネット利用環境の促進も、ネット通販の市場拡大には大きなサポート要素になっている。野村総合研究所によると、ECにおけるパソコン利用は頭打ちで、今後の市場拡大はモバイル経由が主役という。さらに物品購入だけではなく、サービス業でもEC化の進展は大きく進みそうだ。「レストランや美容室など、これまでポストペイが当たり前だったサービス業でも、予約だけではなくメニュー選びまでEC化が拡大すれば、プリペイド化は促進される」(田中大輔・野村総研上級コンサルタント)と見ている。
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