グルメサイト「4強時代」、生き残るのはどこか 「食べログ対Retty」仁義なき戦いの行き先
筆者は、2017年以降、3年程度は、グルメサイト大手4社が競い合う構図は変わらないと見る。一方で2020年以降は、影響力の高いレビュアーの争奪戦が発生し、それに勝利したサイトが生き残っていくのではないかと予想している。
以下、グルメサイトの今後と進化について展望してみたい。
集客効果をどう訴求するか
現在、各社の収益源(キャッシュポイント)には①ユーザー(サイトの利用者)、②店舗(飲食店)、③外部広告主(飲食店以外)の3つがあるが、このうち最も重要なのが店舗だ。たとえばユーザー課金のイメージが強い食べログも収益の8割は法人由来で、その多くを店舗が占める。
店舗(飲食店)からの収益は、主にグルメサイトが提供する各種サービスの使用料(店舗加盟料)と、店舗に関する広告掲載料だ。よって店舗に対して自社サイトの集客効果をどう訴求するかが重要となるが、それには大きく2通りの方法がある。
ひとつは店舗への営業強化だ。ホットペッパーやぐるなびは数百人規模の強力な営業部隊を擁し、2015年度の売り上げではともに300億円超と、食べログ(約160億円)を大きく引き離す。店舗あたり契約高(ARPU)で見ても、2016年9月末時点でぐるなびは4万円超、食べログは約半分の2万円だ。やや乱暴な言い方だが、売上を増加させるために店舗への営業を強化することは、シンプルに有効なのだ。
もうひとつはユーザー数の拡大だ。ユーザー数が拡大すれば、それを背景として店舗への営業もスムーズになるし、広告料の単価も上げやすくなる。
ユーザー数拡大にあたってのポイントは、①恣意性の少ない正確な情報と、②わかりやすい仕組みをセットで提供すること。食べログは相対的に信頼性の高い口コミとシンプルな5段階評価を提供することで最大のグルメサイトとなり、Rettyは実名SNSの要素を加えることで3年という短期のうちに2000万人のユーザーを得た。
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