フェラガモ大幅値下げ 高級ブランドが変調
イタリアの高級ブランド「サルヴァトーレ フェラガモ」を輸入販売するフェラガモ・ジャパンは、靴やバッグなどの売れ筋商品を中心に、6月から平均7~10%の値下げを実施した。フェラガモにとって、値下げは世界で初めて。景況悪化で高額品の消費が低迷している日本市場に限った試みだ。相次ぐ値上げによる顧客離れを懸念し、イタリア本社と価格政策を見直したという。
ユーロ高を受け、欧州ブランドの商品はここ2~3年、値上がりが続いている。フェラガモもこれまでは新たなコレクションが発売されるたびに価格を見直しており、「この3年で約20%は上昇していた」(フェラガモ・ジャパン)。人気の仏高級ブランド、ルイ・ヴィトンも、2007年7月に続き、今年も5月16日から平均1・5%の値上げを実施したばかりだ。
こうした値上がりで、海外高級ブランドの売れ行きは、特に百貨店で急激に落ち込んでいる。三越では07年度下期、海外高級ブランド合計の売り上げが全店で前期比7・8%も減少した。松坂屋名古屋店でも昨年10月以降、海外ブランドの売り上げ低迷が顕著だ。また、ある九州の地方百貨店は「ブランドショップは本来、百貨店全体の集客装置として機能するはずだが、客数が大幅に減り、その役目を果たせていない」と嘆く。
フェラガモの値下げは、こうした需要低迷を打破するカンフル剤となるか。ライバルブランドもこぞって動向を見守っている。
(堀越千代 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)
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