マンション発売5割増、好調はいつまで続く 今夏発売の湾岸タワマンが好調持続のカギを握る

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久々の好況に沸くマンション業界。ようやく訪れた“春”はいつまで続くのか。

不動産経済研究所(不経研)がまとめた5月の首都圏マンション発売戸数は4967戸、前年同月比で49・2%も増加した。契約率も78・1%と、好不調の目安とされる70%を4カ月連続で上回った。

アベノミクスの効果で不動産価格は反転上昇の期待が強まっている。主要銀行は主力である10年固定の住宅ローン金利を2カ月連続で引き上げた。「物件価格と住宅ローン金利の先高感が、住宅購入検討客の意欲を刺激した」(不経研の福田秋生・企画調査部長)。

金利の絶対水準はまだ低く、住宅ローン減税をはじめとした政府の住宅取得促進策も続く。例年なら夏場は販売が落ち込むが、消費増税前の駆け込み需要もある。「今年は秋商戦が始まる10月まで高原状態が続きそうだ」(東京カンテイの中山登志朗・上席主任研究員)とマンション販売の好調持続へ期待は高い。

とはいえ、5月下旬から株式市場は調整局面に転じ、マンション販売を後押ししてきた資産効果にも陰りが見える。足元の勢いがどこまで続くか。先行きを占ううえで業界関係者の注目を集める物件がある。

東京湾岸の江東区豊洲、マンション激戦区で7月に販売開始される「スカイズ タワー&ガーデン」。総戸数1110戸の超大型物件には、三井不動産レジデンシャルや東京建物など不動産大手6社が初めて共同参画している。ハイブリッド免制震システムなど日本初の設備も複数導入した。文字どおり初物尽くしの、今年最大の目玉物件だ。

資料請求は昨年9月からの半年間で約1万件が集まった。今春の事前案内会には1カ月で約1500組が来場している。いずれも想定を上回るペースで、三井不動産レジデンシャルの斎藤裕・営業室長は「オールジャパンで取り組んだ新プロジェクトに、大きな興味を持っていただいている」と、自信を見せる。

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