ヒラリー勝利なら日本株はどこまで上がるか 米大統領戦後の日米の株価はどうなるのか
一方、仮にトランプ氏が勝てば、株式を中心としたリスク資産は大きく売られそうだ。6月、英国の国民投票ではEU(欧州連合)離脱が決定した際、NYダウも一時1万7000ドル台まで急落した。
ただ、テクニカル面からみると、長期投資家の売買コストとされる200日線前後で下げ渋っている。8月以来、しばらく調整を続けていたNYダウは200日線(約1万7780ドル)の手前で大きく反発をみせている。
原油の下値は限定的、ドル円一段上昇には材料必要
今後のマーケットを動かしそうな要因は何だろうか。その一つは原油相場だ。9月末、国際エネルギーフォーラムで石油輸出国機構(OPEC)の減産合意と前進をみせたのは記憶に新しい。
しかし、直近では足元ではWTI原油先物が44ドル台まで再び弱含んでいる。一部の通信社が「イランが減産に応じない場合、サウジアラビアは増産を辞さない」と報じ、OPECの減産合意を巡る不透明感が高まりつつある。
もし原油価格の調整が長引けば、海外投資家の運用姿勢を再び慎重にさせるとの見方も根強い。当面の焦点は、11月30日にウィーンで開催されるOPEC総会だ。もっとも、テクニカル面からみると、WTI原油先物の200日線は43ドル台。ここからの下値は限定的との見方もできそうだ。
もう一つの要因は為替だ。2016年の年初、市場では「米連邦準備理事会(FRB)は年4回の追加利上げを予定している」との見方が多かった。しかし、残すは12月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の1回のみとなっている。
大統領選後の経済指標等を見極める必要もあるが、先物市場ではすでに7割弱の確率で年内の利上げを織り込んでいる。足元のドル円は落ち着きをみせている。
テクニカル面からみると、ドル円の200日線や長期での指標を見る52週線は106~109円台にあることから、円安方向へ、若干の余地もありそうだ。しかし、今年6月の英国のEU離脱決定直前、楽観論から一時106円台までドル高が進んだが、この水準が現段階ではドルの当面の天井となっている。もう一段の円安となるには、利上げ以外の後押し要因も必要だ。
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