牛丼大手、「トッピング」戦略にシフト 調理の手間かけず、客単価をアップ

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吉野家もトッピングで客単価引き上げを宣言

既存店不振からの打開を狙って、新商品戦略を練り直しつつある牛丼大手は、松屋フーズだけではない。

4月18日に牛丼の並盛り価格を380円から280円に値下げした吉野屋。その結果、既存店売上高の前年同月比は、3月の95.0%に対して、4月が111.1%、5月は115.9%と大幅なプラスに転じた。

吉野家を運営する吉野家ホールディングスは、牛丼価格改定の発表と同時に、河村泰貴社長が「第1四半期(13年3~5月期)は赤字の覚悟だ」と意気込むほど、多額の広告宣伝費を投入。吉野家ホールディングスが今14年2月期に投じる広告費は、推計で前年比8割増の約50億円超。前期に比べて上積みする20億円は、ほとんどが牛丼事業向けとみられる。

同社の前2013年2月期は売上高が前期比1%減の1645億円、営業利益は同61%減の18億円と、松屋フーズと同様の大幅減益だった。値引きを控えたことも影響し、国内吉野家事業の既存店売上高は前期比97.7%と5年連続のマイナスに終わった。

関係者によれば、河村社長は5月下旬に開いた株主総会の場で、「(今期の)後半はトッピングで客単価を引き上げる」と宣言したという。

実は吉野家は、かつて牛鍋丼を発売していた時期に、「追っかけ」と題して、ねぎ玉子やとろりチーズといった各種トッピングを1皿90円で投入したことがある。この追っかけは牛鍋丼以外のメニューにも利用可能だったことから、当時、牛丼向けのトッピングとしてもそれなりに注文されたようだ。

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