電車の座席が窮屈な理由は「肩幅」にあった

現状では平均的な男性でギリギリのサイズ

山手線E235系のロングシート(撮影:風間仁一郎)

通勤電車のシートに座っていたら隣の乗客が下車。次にその席に座った人が大柄で窮屈な思いをした――。こんな体験をした人は少なくないだろう。

たとえば横1列に7人が並んで座れるロングシート。以前は色分けやくぼみなどによる座席区分はなかった。小さい子供が座る場合、1人分のスペースを必要としないので、浮いたスペースを有効に使えるし、車内がそれほど混んでいない場合は、乗客同士がほどよく隙間を空けて座ることもできる。しかし、誰か1人が中途半端な位置に座ると6人しか座れない。そこで、最近の通勤列車では7人が隙間なく座れるように、座る部分にくぼみを付けたり色分けしたり、あるいはロングシートが2人、3人、2人と区分できるように仕切り棒を付けたり、といった座席区分を行なっている。

JIS規定のシート幅は43センチ

とはいえ、7人が整然と座ったとしても、隣の人が大柄だったり、あるいは隣の人がひざの上に大きな荷物を抱えていたりすると、窮屈に感じる人もいるだろう。あるいは、自分が車内で座ったままノートパソコンを開いて仕事をしようとすると、自分のひじが隣の人の邪魔になるかもしれない。1人当たりのシート幅がそもそも狭いという可能性はないだろうか。

1人当たりシートの長さはどうやって決めているのか。JIS(日本工業規格)ではロングシートの1人あたり座席幅は43センチとしている。また、やや古い資料であるが、日本鉄道車輌工業会が1979年に作成した「人間工学データシート」によると、「主として通勤形車両に使用される縦型腰掛(ロングシート)の1人あたり座席幅は43センチが適当である」と記載されている。「比較的楽な座姿勢がとれ、ほどよいゆとりのある寸法である」という。

だとすると、43センチあれば十分ということになるが、JR西日本・車両設計室の大森正樹課長は「人間の横幅でもっとも長いのはどこかを考える必要がある」と言う。

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