福岡で芽吹く「爆買い後」を見据えた観光戦略 日本文化体験の「コト消費」をどう増やすか
その消費動向は、高額なブランド品や家電から離れ、医薬品や化粧品など消耗品へシフト。観光庁の田村明比古長官は「買い物以外の体験も重要」と話す。
客足は過去最高を超える勢い
キャナルも例外ではない。炊飯器や温水洗浄便座(ウォシュレット)といった家電をまとめ買いする光景はすっかり影を潜めた。
それに代わって増えているのが、美容サービスへの問い合わせだ。日本の「カワイイ文化」の影響なのか、美容室やネイルサロン、まつげに人工毛を装着する「まつげエクステンション」などを「体験したい」という声が寄せられる。
こうしたニーズの変化にどう応えていくかが、外国人需要を取り込めるかどうかの鍵を握る。
九州運輸局によると、九州を訪れた外国人は今年8月末(速報値)で222万3447人。その勢いは、過去最高となった2015年(283万2384人)を上回るペースという。
熊本地震で遠のいた客足も回復し、7月は前年同月比24・4%増の36万6855人と、単月で過去最高を記録したほどだ。
チャンスはある。アジアに地の利がある福岡で、ポスト爆買いをめぐる動きはなお過熱しそうだ。
(文:吉武和彦)
●着付けは着物が1時間2700円。忍者服が1時間1080円。
●折り紙は45分間1080円。書道は1時間1944円〜。出来上がった作品をTシャツに印字して購入すれば3500円。
●ほうじ茶や日本酒などを楽しめるカフェラウンジ(1杯216円〜756円)もある。
●旅行に役立つ「かんたん日本語講習」や、テナントの日本人従業員向けの外国語講習は、それぞれ30分間540円。
●一般住宅に観光客らを泊める「民泊」の紹介や、手荷物を預かったり、宿泊先や空港へ配送したりする有料サービスもある。
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