日経平均急反発、1万3500円台回復 引き締め観測後退や円高修正受け“暴騰”

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週明け10日の東京株式市場は急反発。日経平均株価は前週末終値比636円67銭高の1万3514円20銭、TOPIX(東証株価指数)も同55.02ポイント高の1111.97といずれも4営業日ぶりに上昇。「暴騰」ともいえる勢いで急反発した。

米国の金融引き締め観測が後退した一方、先週急速に円高が進んだ為替相場の動きが落ち着き、円安方向へと修正されたことなどを材料として、一気に買い戻された。ただ、売り物が少なかったことから、東証1部の売買高は概算で32億5193万株、売買代金は2兆5760億円と暴騰した割には売買エネルギーは膨らまなかった。売買代金が3兆円を割ったのは、5月7日以来、24営業日ぶり。

大幅高の展開に終始

本日の東京市場は大幅高の展開に終始した。きっかけは先週末に米国で発表された雇用統計だ。非農業部門の雇用者増加数が市場予想をやや上回ったものの、失業率は逆に市場予想よりも悪化した。

FRB(連邦準備理事会)は「継続的かつ十分な雇用改善」を目安として、金融緩和の縮小つまり金融引き締めに転じるとの見方が台頭していたが、これが後退。一方で、米国景気の緩やかな回復を織り込んだドル買いにより、先週、一時は1ドル=94円台まで進行した円高も円安方向へと修正された。

こうした流れを受けて、本日の東京市場では朝方の外国証券経由の注文動向が売り1260万株に対し、買い1850万株と差し引き590万株、5営業日連続の買い越し。金融緩和の継続や円高の修正を見越した投資マネーの流入もあって、日経平均は寄り付き直後の前週末終値比263円高が本日の安値となった。

後場に入っても高値を追う動きは衰えず、高値引けで本日の取引を終えた。このところの株価下落で複数のテクニカル指標が割安を示すゾーンにあったことも、買いを支えたとみられる。

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