携帯3社の「割引クーポン」は何が問題なのか

消えない「実質ゼロ円」に総務省が厳重注意

ところが、タスクフォースの初回で日本の通信料金は国際的に高くないことが確認され、議論の方向は大幅にずれていった。代わって焦点となったのは、2年間の契約期間の割引額が端末価格を上回る「実質ゼロ円」販売だった。

委員からは、「頻繁に携帯会社を乗り換えるユーザーが実質ゼロ円などで優遇され、そうでないユーザーには不公平感がある」「実質ゼロ円を禁じ、浮いたカネを長期ユーザーやライトユーザーの料金値下げに回すべき」などの指摘が相次いだ。

総務省はこうした意見を集約。さらにパブリックコメントを集めるなど手続きを踏んだうえで、実質ゼロ円販売を禁じる「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を公表、今年4月1日から適用したのだった。

禁止後も違反が相次いだ

しかし、その直後から違反が相次いだ。4日後の4月5日には、米アップルのiPhone SEを実質648円で販売したドコモ、多くの機種で実質ゼロ円を下回っていたソフトバンクに対し文書で注意。KDDIも同15日に、口頭で注意を受けた。

それから半年が経過した今、総務省が再び「厳重注意」に踏み切ったのは、実質ゼロ円販売に改善が見られないばかりか、クーポンを配布するなど、むしろ手口が巧妙になっていたからである。

ドコモは2012年から、ソフトバンクは今年9月からユーザーにクーポンを送付していた。端末を買い替える際にクーポンを利用すると、価格が割引される仕組みだ。

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