新潟県知事選は、原発再稼働問題の天王山だ 10月16日に知事選挙の投開票

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 10月14日、世界最大の原子力発電所、東京電力柏崎刈羽原発の地元・新潟県で16日、知事選挙の投開票が行われる。写真は柏崎市で2009年5月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[新潟市/長岡市 14日 ロイター] - 世界最大の原子力発電所、東京電力柏崎刈羽原発の地元・新潟県で16日、知事選挙の投開票が行われる。終盤の選挙戦では、自民党などが推薦する前長岡市長の森民夫氏(67)と再稼働反対を鮮明にしている医師・弁護士の米山隆一氏(49)が一騎打ちの激戦になっているといわれ、電力業界関係者やエネルギー問題の有識者らは「原発再稼働問題の今後を左右する最も重要な自治体選挙」と、その行方を見守っている。

原発問題で支持に変化も

「2週間前の告示の時には遠くに見えた相手候補の背中がもう、すぐ目の前に迫っている。もしかしたら追い越せるかもしれない」──。13日午後、米山氏は競合する森氏のお膝元、長岡駅近くの広場に集まった有権者に呼び掛けた。

過去4回、国政選挙に立候補し、いずれも落選の憂き目にあってきた米山氏は「今回は違う。行く先々でふるさと、命、子どもたちの未来を守ってほしいと言われる」と強調。「東京電力が原発を再稼働して、もう一度事故を起こさないと信じることはできない。再稼働を認めることはできない」と断言した。

演説を聞いていた元長岡市議でコメ農家の杉本輝栄さん(77)は「本当は森さんを応援しないといけない立場だが、原発再稼働とTPP(環太平洋連携協定)はどうしても止めてもらいたい」との理由で米山氏を支持すると述べた。

同じ13日午前8時。新潟駅前の交差点で森氏は「(日本海側に)新幹線を青森から大阪まで通そう。新潟が頑張らなければいつまでも表日本、裏日本。言葉は消えても中身は変わらない」などと訴える一方で、「選挙は厳しい情勢。皆さんのお一人、お一人が頼りです」と通行人に呼び掛けた。原発再稼働についての言及はなかった。

森氏の応援に駆けつけた元自民党幹事長の石破茂・前地方創生担当相は「政治は理想を語るだけではない。理想を実現できる力を持っているのが森さんだ。知事は誰でもいいのではない」と力説した。

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