9月の米新規雇用が15.6万人に鈍化

利上げ慎重姿勢強まる恐れ

 10月7日、9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが15万6000人となった。写真はニューヨークの就職フェア会場で2014年10月撮影(2016年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ワシントン 7日 ロイター] - 米労働省が発表した9月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数の伸びが15万6000人と、8月の16万7000人(改定後)から鈍化した。市場予想の17万5000人も下回った。就業者数の伸びが鈍化するのは3カ月連続。

失業率は5.0%にやや上昇した。連邦準備理事会(FRB)が利上げに慎重な姿勢を強める可能性がある。

雇用統計は米経済が拡大を続けていることを示す内容ではあったものの、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性はさらに減少したと考えられる。一方で、年内最後の会合となる12月の利上げ可能性は増したとみられる。

リバーフロント・インベストメント・グループ(リッチモンド)のマイケル・ジョーンズ氏は「米国が(経済の低迷に)落ち込んでいるという心配をしなくて良い程度には力強い」と雇用統計の内容を評価したが、一方で「FRBが(利上げに)動くことを期待するほどは強くない」とも述べた。

FRBのイエレン議長は、人口増による労働力の伸びを吸収するには、新規雇用は月10万人未満でも良いとの見方をこれまでに示している。今年に入ってからの新規雇用は平均で18万人程度と高い水準にあり、イエレン議長は「持続不可能」としている。

9月の失業率の悪化は、仕事に復帰しようとしている米国民が増えていることが原因で、そのことは雇用市場にまだ緩み(スラック)が残っていることを示している。

民間部門の時間当たりの賃金は前年同月比で2.6%上昇した。市場予想に沿う内容だった。年間の時給の伸びは、昨年よりは加速する兆しを見せているが、2007年から09年にかけての景気後退の前の水準と比べると緩やかなままだ。

11月1-2日に開かれるFOMCの前に出る雇用統計は今回が最後だ。投資家は11月のFOMCが米大統領選の直前であることを踏まえると、利上げの可能性はほとんどないとみている。

イエレン議長は先月、年内に1回利上げすることになるだろうとの見方を示した。政策金利であるフェデラルファンド金利の先物の値動きは、12月の利上げ確率が50%を少し超える程度であることを示している。

利上げを見送った9月のFOMCでは、投票権を持つ3人のメンバーが金利引き上げの即時実施を主張した。ただ、今回の雇用統計の内容は、利上げには慎重に臨むべきだとする主張を後押しすることになりそうだ。

米共和党の大統領選候補、ドナルド・トランプ氏はFRBが政治的な配慮から金利を低く据え置いていると批判しているが、イエレン議長や他のFRB当局者はこれを否定している。

トランプ氏は米国内で失われた雇用を取り戻すと公約している。製造業の雇用は9月に1万3000人減少した。製造業は過去5カ月中、3カ月で雇用を減らしている。

ただ、雇用市場は総じてみると、ペースは落ちているかもしれないが、引き締まり続けている。そのことは、民主党の大統領選候補であるヒラリー・クリントン氏にとっては利点といえる。クリントン氏は民主党のオバマ大統領の政策が多くの雇用を生み出すのに役立ったと主張してきたからだ。

*内容を追加して再送します。

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