スバル「レヴォーグSTI」予想外に人気の理由 新グレードが果たすブランド向上の役割

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レガシィtuned by STI

しかし当時はまだ日本製高価格車への理解は薄く、トランスミッションがMTのみだったこともあり、イメージはなかなか浸透しなかった。そこでSTIはSシリーズより身近なコンプリートカーとして、2005年のレガシィを皮切りに、tuned by STIという新しい路線を展開する。こちらは2010年に頭文字を取ってtSと改称しつつ、現在も継続している。

つい最近発売されたWRX S4 tSの価格は496万8000円で、昨年発売されたWRX STI特別仕様車、S207の599万4000円より安く(ベース車両の価格差は約45万円)、2ペダルなので幅広いユーザーを取り込める。

ただしいずれも生産台数や期間は限られている。STIのコンプリートカーは発売後すぐに完売になることで有名なのに、台数を増やさないのは、STIの生産キャパシティと関係があるそうだが、知名度アップに対しては足かせだったかもしれない。

予想以上の反響を得たレヴォーグSTIスポーツ

そこで今年登場したのが、Sシリーズ、tS、WRX STIに続く第4のSTIとして、6月にレヴォーグに設定されたSTIスポーツだ。予想以上の反響を得た理由のひとつとして富士重工業広報部が挙げていたのは、「従来のSTIと比べた場合の敷居の低さ」である。

現行WRXは2ペダル仕様をS4という別の車種にしており、WRX STIはラリーのベースモデルという位置付けもあってMT車のみだ。tSはコンプリートカーゆえ価格が高めとなっており、Sシリーズはさらに上を行く。

一方のレヴォーグSTIスポーツは、STIが生産を担当するコンプリートカーではなく、スバルの工場でライン生産しているのも、ベースモデルから約40万円高に収まっている理由であろう。よって生産台数の制限もない。

レヴォーグSTIインテリア

実車に接してまず感じたのは、STIが当初から大事にしている大人っぽさだ。いわゆる体育会系のいでたちではなく、大径アルミホイールやマフラーカッターなどで迫力を加えつつ、落ち着いた佇まいも実現している。象徴的なのはインテリアで、渋いボルドーとブラックの2トーンインテリアは、プレミアムという言葉が浮かぶ上品な仕上がりだった。

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