スバル「レヴォーグSTI」予想外に人気の理由 新グレードが果たすブランド向上の役割
初代レガシィには、2L水平対向4気筒ターボエンジンを積む最高性能車が「RS」と「GT」という2グレードあったが、RSはセダンのMT車のみで、最高出力が220馬力だったのに対し、GTはツーリングワゴンにも用意され、200馬力のエンジンにATを組み合わせていた。STIは220馬力エンジンとATをツーリングワゴンに搭載した点が独自だった。
多くのクルマ好きがイメージするSTIバージョンが登場したのは2年後。レガシィSTIと同じ年に発表された初代インプレッサの高性能グレードWRXをベースとして、やはり受注生産で登場した。これが現行WRX STIのルーツになる。
伝説の1台は22B-STIバージョン
インプレッサのSTIバージョンは数車種存在した。中でも伝説の1台が、1998年に400台限定で発売された22B-STIバージョンだ。ワイドフェンダーを備えた3ナンバーの2ドアクーペに2.2L水平対向4気筒ターボエンジンという内容を持ち、価格は通常のSTIバージョンの200万円台に対してなんと500万円だったが、わずか2日で完売してしまった。
2000年に入ると、STIは新たな「二歩」を踏み出す。一歩目はSUVのフォレスターへのSTIバージョン追加。もう一歩はSTI自身が販売まで行うコンプリートカー、インプレッサS201を台数限定で設定したことだ。後者の流れは2年後、レガシィS401をも生み出す。
このうちインプレッサ版は、昨年登場した現行WRX STIベースのS207までシリーズが続いている。一方のレガシィ版は次のS402が最後となったが、エンジンを2Lターボから2.5Lターボに積み替えたこちらは価格が500万円を超えており、現在に至るまで最も高価なレガシィとなっている。確かにS402は、外観も室内もシックな仕立てで、高価格を納得させる内容だった。
STIの市販車が硬派なスポーツモデルを目指したわけではなく、BMWをベースとした「アルピナ」のような、エクスクルーシブな位置付けを当初から考えていたことがわかるだろう。
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