グーグル「純正」の新スマホが残念すぎる理由 Pixelには、たった一つの特徴しかない!
事前に噂されていたのは、グーグルがNexusシリーズを見直して、アップルのiPhoneのようにハードウェアと基本ソフト、それにサービスを一体化した製品を開発するということだった。基本ソフトを他社に提供しているという意味では、マイクロソフトのSurfaceシリーズの方が、そのイメージや実態に近いかもしれない。
だが、結果としてはグーグルのハードウェアに対するこだわり、関心の薄さが一連の製品には透けて見える。とりわけPixelは、グーグルへの期待が過度なものであったことを証明しているように思えてならない。
従来のNexusシリーズをふり返ると、各端末の細かなデザインにおいて、外観も中身もグーグルがあまり細かな部分にこだわっていなかったことがよく解る。
メーカーによって異なるテイスト
わかりやすく外観だけに絞っても、たとえば韓国のLGが開発したNexus 5/5Xとモトローラが開発したNexus 6は、まったくそのテイストが異なる。テイストが異なるというよりも、それぞれの開発担当企業の個性が色濃く出ており、そもそものデザインディレクションを、グーグルが細かく指示していないように思えた。
そして発表された最初のPixelは、いかにもHTCらしいラウンドしたフォルムで設計されている。パッと見た感じではニセモノのiPhoneのようにも見えるが、異様なまでに細かな部分のディテールや仕上げ感にこだわるアップルやマイクロソフトの自社端末と比べると、ハードウェアに対する興味の薄さを感じる読者も少なくないのではないだろうか。
本当にハードウェアにこだわり、アップル的なアプローチでの端末開発に興味があるのならば、見た目や仕上がりに関しても、何らかの「グーグルらしさ」が反映するのではないだろうか。
デザインディテールやボタン配置、ロゴの入れ方などは、単純に美意識の違いとして片付けられるとしても、単に”高性能なスマートフォン”としただけのPixelの特徴が、主にクラウド側のサービスとして実装しているAIパーソナルアシスタントの「Google Assistant」のみという点には、さらに驚かされた。
もちろん、AI技術を用いたアシスタンスサービスは、今後のインターネット接続デバイスが進化する方向を示しており、業界全体のメガトレンドをみれば重要な機能であることは間違いない。しかし、言うまでもなくGoogle Assistantはサービスであり、端末の機能ではない。
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