日本人が知らない「男の脱毛」基本中の基本 コンプレックス解消から「肌見せ志向」に転換
2つ目の理由は、完全にツルツルな状態するにせよ、毛を間引く程度にせよ、脱毛の施術は1回で終了とはならず、ある程度の回数と時間が必要になるからだ。医療機関で脱毛する場合、「個人差はあるが、顔のひげは完全脱毛で平均8回程度、胸毛は5~6回程度で間引く程度の効果がある」(松倉院長)という。
また、週に2、3回とコンスタントに脱毛処理ができればいいが、毛の生える周期に合わせて施術する医療機関や脱毛エステの場合、その頻度は3~4週間に1回となる。つまり、満足のいく仕上がりになるまで数ヶ月はかかる。肌を露出するシーズンが到来する前から逆算して、秋冬のうちから施術をしないと間に合わないのだ。
脱毛用家電は「買い」なのか?
では、いざ脱毛しようと思った時に、どの方法を選ぶべきなのか。選択肢は、医療機関、脱毛エステ、ホームケアなどさまざまあるが、ここで推奨したいのは、美容皮膚科などの医療機関だ。巷には脱毛サロンが多く存在するが、利用には注意が必要。「法律で“光脱毛”が認められているのは、医療機関のみ。それが許されていない脱毛エステでは、トラブルをおこさないように出力を抑えて使用するため、一時的な脱毛効果を得られたとしても、永久脱毛効果は低くなる」(松倉院長)。
最近は、テレビ通販でも家庭用の脱毛器が売られているのを目にするが、これらは脱毛エステよりもさらに安全性を確保する必要があるため、1回の効果はより限定的になる。
したがって、ただでさえ多忙なビジネスマンにとっては、永久脱毛する場合はもちろん、毛を間引く程度であっても医療機関を利用したほうが手っ取り早いだろう。万が一、施術によって肌トラブルを起こしたとしても、医療機関なら適切な処置を施してもらえるという安心感もある。
脱毛を希望する部位としてニーズが高いのは、ひげと胸毛だ。言わずもがな、どちらも大きく清潔感を左右するポイントだからだ。ひげの場合、完全に脱毛するのではなく、毛をある程度間引くだけでも、毎朝シェービングにかかる時間を大幅に減らすことができる。すると、肌へのダメージも格段に少なくなるため、スベスベな肌を維持できるというメリットが得られるのも人気の理由だ。
また、春夏にハーフパンツを着用するのが一般的になったことで、膝下の脱毛を希望する人が急増している。さらには、スポーツ人口が増えてきたことなどから、欧米人のように全身脱毛を希望する人も珍しくないという。
これまで男性の脱毛というと、“多すぎる毛を減らす”といったコンプレックス解消型が主流だった。しかし、東京オリンピックの開催などを背景に、スポーツ人口のさらなる増加が見込まれることを考慮すると、“スポーツする姿をよりきれいに見せる”といった「外見磨き型」、「肌見せ志向型」の脱毛ニーズが増えることは確実。いざスポーツをはじめよう、というときに、思わぬムダ毛で慌てないよう、秋冬のうちから脱毛ケアを実践してほしい。
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