経済改革へ本腰、北朝鮮が変動相場制を導入 外資導入やインフレ退治狙い、金正恩第1書記が決断?

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2011年に死亡した金正日総書記の晩年から、北朝鮮は対外的に「経済強国」「知識経済強化」を打ち出してきた。金総書記の後継者となった金正恩第1書記は今年元日に発表した「新年の辞」でも、「宇宙を征服した(2012年12月に発射したミサイル(ロケット)発射が成功したことを表現)その精神、その気迫で経済強国建設の転換的局面を開いていこう」と発言、「経済強国」という言葉に7回も触れるほど、経済成長の達成を国民に約束している。そのため、北朝鮮経済の発展には必ず必要な外資導入のために、まずは為替レートの現実化に手を付けたようだ。

ただ、この約10年間でも、2002年に実施された「経済改善措置」(7・1措置)をはじめ、北朝鮮は数度の経済改革を実施。為替政策にも力を入れたものの、成功にはほど遠い結果だった。今回の変動相場制の実施も、再び急激なインフレを招く恐れもあり、国民の反発が高まって取りやめる可能性も十分にある。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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