国内バスケ、最新IT技術で起きる一大革命

富士通が提供、シュートの回転数まで捕捉

だが、B.LEAGUEのこれまでの経緯を知っていれば、ここで一つ素朴な疑問が生じるかもしれない。「なぜソフトバンクではなく富士通なのか?」と。

B.LEAGUEは今年3月にソフトバンクグループがトップスポンサーになることで合意。正確な金額は非公表だが、ソフトバンクは約120億円のスポンサー料をB.LEAGUEに支払ったと見られている。

今回の構想は、その3月の会見で川淵氏やソフトバンクの孫正義社長が語っていた構想そのものである。当然、ソフトバンクとともに実現するものかと思われたが、富士通と組むことになった。なぜなのか。

男子チームの強化に有効

中央で撮影に応じる富士通の山本正巳会長(撮影:梅谷秀司)

川淵氏は「1年以上前に山本会長と話をした。富士通の川崎フロンターレ(前身は「富士通川崎」。富士通がスポンサーをしているJリーグのプロサッカーチーム)は、川崎市から撤退したサッカーチームがある中、川崎市に長く根ざし、川崎市との関係も良好である。また男女バスケットボールチームを持ち、うち女子選手2人が日本代表に選ばれている。一方で男子は40年もオリンピックに出ていない。富士通は5月のフォーラムでスポーツICTを発表した。こんなこともできるのかと驚いた。富士通と一緒にやれば、男子チームの強化が図れる。そのためのバスケの認知向上も果たせると心から思った」と持ち上げた。

B.LEAGUEの大河正明チェアマンは「ソフトバンク、富士通、それぞれに得意分野がある。よく話し合いをしていければ」とした。富士通の山本会長は「ソフトバンクとは定期的に話しているが、B.LEAGUEでの役割分担の話はこれからだ。ソフトバンクと富士通は最近仲がいい。みんなで盛り上げて行ければ」と、ソフトバンクとは協調していく考えを示した。

 富士通は2015年度~2021年度、スポーツ関連のICTで累計2000億円規模の売上高を目指している。「日本のスポーツ市場は15兆円ある。その中でスポーツICTはかなり大きなジャンルになる。日本で成功したら、その成功モデルを東南アジアなど海外に持ち出そうと思っている」と山本会長は意気込む。果たして山本会長の思惑通りになるだろうか。ソフトバンクとの役割分担に加え、そもそもB.LEAGUEがプロスポーツとして日本に根付くかどうかなど、目の前に立ちはだかる課題は小さくなさそうだ。

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