帝人が米自動車関連企業に大金を投じる理由 激化する一方の「素材戦争」で打った布石

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コンチネンタルは米ビッグ3などとの取引実績があり、同社の買収で帝人は、ティア1(一次取引先)の部品メーカーに一気に躍り出ることになる。自動車分野で、単なる材料サプライヤーにとどまるのでなく、ティア1の部品メーカーに成長し、さらには自動車メーカーに対していろいろな素材を提供できるプロバイダーになろうという戦略だ。今年5月には、品質マネジメントシステム規格である「ISO/TS 16949」を取得するなど、その姿勢は一貫していることがわかる。

帝人は今回初めて、2030年ごろまでの自動車向け複合材料事業の売上高見通しを示した。その中で、2015年時点で6.34億ドルある売上高について、2020年ごろに9億ドル、2025年ごろに15億ドル、2030年ごろには20億ドルに達すると推計。現在、炭素繊維複合材料が売り上げの大半を占めているが、2030年ごろには炭素繊維複合材料とガラス繊維複合材料とで半々の売り上げシェアのイメージを持っている。

買収完了は今年12月の予定。2017年3月期の業績への影響について、会社側は「軽微だ」としている。果たして帝人は目論み通り、自動車業界に食い込める、貴重な素材メーカーとなれるか。 
 

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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