「異次元緩和」後の株価でも割安?
最後に、4月4日の異次元緩和で暴騰した後の、足元の株価(4月8日終値)で算出した場合のPBRではどうだろうか。為替換算調整勘定増加額が100億円以上に限定し、純資産の増加によるPBRの低下(割安度の増加)度合いでランキングした。
東芝、ダイキン工業、テルモなどでPBRの低下が大きかったものの、いずれもPBR2倍超え。さすがに日経平均株価が1万3000円を超えた時点では過熱感もみえる。
ただ、この株価急騰後でもPBRが1倍割れとなった企業は少なくない。豊田自動織機、ミネベア、タカタなどが純資産の増加により1倍を割ってきた。また、セイコーエプソン、ヤマハなどは昨年9月末時点の純資産でみても1倍割れ。どちらも前期の業績が振るわなかったところだが、今期は業績の上向きが見込まれている。
今回の集計対象期間の為替相場の推移は、2012年9月末が1ドル=77.58円(東京17時)、12月末が同86.32円、3カ月間で8.74円円安が進んだ。13年3月末が同94.04円で、さらに7.72円円安が進行している。黒田総裁による異次元緩和後に進んだ円安で、4月8日には99.35円と、100円も見える水準まできた。
これから発表が本格化する3月期決算では、さらに為替換算調整勘定による自己資本の押し上げが想定されるところ。PBRからみれば上値余地がある思いがけない「為替換算調整銘柄」も出てくるかもしれない。
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