東芝の電子書籍、“自前路線”の成算

コンテンツサービス、凸版印刷との協業は見直し

電子書籍市場を見渡すと、競争激化が著しい。東芝と協業関係にあったブックライブは、昨年11月に電子書籍リーダー「リディオ(Lideo)」(NEC製)を発売。スマートフォンやタブレット向けなどの配信サービス専業から脱却し、端末まで自前で持つことで米アマゾン・ドット・コムへ対抗する狙いがある。電子書籍をスマートフォンで読む20~30代のユーザーは増えているが、50代以上のシニア層になると浸透はいま一つ。専用端末の投入により空白層を取り込んで、シェア拡大を狙っている。

「電子書籍で生き残るのは上位2~3社」というのが、業界関係者たちの共通認識だ。スマートフォンやタブレットの普及に伴い、電子書籍の利用者は右肩上がり。楽天の三木谷浩史社長は「日本は2020年に1兆円規模になると思うので、そこで50%のシェアを達成したい」と鼻息が荒い。

ポイントサービスが激化、消耗戦の様相も

多くのサービスや端末がひしめく中、激化するのがポイントサービスだ。日本では電子書籍の価格決定権が出版社にあり、サービス業者による一方的な値下げはできない。期間限定で安く売られる電子書籍は、出版社と連動したキャンペーンに限られている。このためサービス業者は利益を削り、実質的な値引きに相当するポイントサービスによって利用を促そうと懸命だ。市場拡大に伴い、消耗戦の様相を呈し始めている。

 「電子書籍元年」と言われ続けて数年経つが、アマゾン「キンドル」の登場もあり、ようやく盛り上がりを見せてきている。その中で東芝が採った独自路線。激戦の中で埋没しない存在感を示せるか。本格的な勝負はこれからだ。

(撮影:尾形 文繁)

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