セブン&アイ、“弱点”克服の兆し 「お荷物」のイトーヨーカ堂が急改善

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イトーヨーカ堂は12年夏、パート比率を9割に高めて戦力化する一方、正社員を半減させる改革に着手。異動がなく地域の事情に通じているというパートの特性を生かし、接客強化を進めている。セブン&アイの鈴木敏文会長は「モノが豊富な現代では、お客さんは慌てて買う必要がない。このような時代、セルフサービスというやり方では通用しない」と危機感を隠さない。

接客比率が急上昇

これまでは商品を買おうとしても、「売り場に声をかけられる店員がいなかった」(イトーヨーカ堂)。だが、接客の強化に本腰を入れ始めた昨年夏以降、衣料部門の接客比率(レジまで店員が同行して購買した商品の売上高が、総売上高に占める割合)が2割から半分を超えるまでになった。足元では「円安、株高で心理的な明るさがお客様の中に出始めている。回復のチャンスがあるととらえている」(村田社長)。

一方、14年春には消費増税を控え、消費者の購買意欲が再び減退するおそれもある。セブン&アイは「グループでの仕入れの統合、セブンプレミアムなど質を重視した新商品開発を実行する」(村田社長)が、具体的な策については「その(増税の)時点での価格の問題については、その時点で考える。今からどうするとは申し上げられない」(同)。

消費者の心理をとらえ、業績を回復させることができるか。成果は徐々に見えてきたスーパーだが、改革はまだ途上でもある。

平松 さわみ 東洋経済 記者

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ひらまつ さわみ / Sawami Hiramatsu

週刊東洋経済編集部、市場経済部記者を経て、企業情報部記者

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