2億円超のスーパーカー対決を知っているか

ケーニグセグとパガーニ、相反する哲学

はたして、知る人ぞ知る“次”はあるのだろうか。実は、ある。フェラーリやマクラーレン、ランボルギーニ、ブガッティ、といった有名ブランドのスペシャルモデルを手に入れてなお、満足しないリッチなカーガイの辿りつく先として、今、2つのハイパーカーブランドが注目を浴びているのだ。それは、スウェーデンのケーニグセグと、イタリアのパガーニ。

(左)クリスチャン・フォン・ケーニグセグ(Christian von Koenigsegg)/1993年ケーニグセグ社を設立。1996年にコンセプトカーを完成させ、2000年に市販第1号を発表。一台一台手作りでスーパーカーを作る。(右) オラチオ・パガーニ(Horacio Pagani)/アルゼンチン出身のオラチオ・パガーニはランボルギーニ社を経て、独立。モデナ・デザインを起業。1999年にはパガーニ・ゾンダC12を発表した

いずれの会社も1990年代に産声を上げた。クルマの世界では新興に属すると言っていい。クリスチャン・フォン・ケーニグセグとオラチオ・パガーニというカリスマ的創始者が今なお80人程度の組織の先頭に立ち、1台2億円以上もする魅力的で恐ろしく速いハイパーカーを、年間わずか20台程度世に送り出している、という点では、互いによく似た者同士だったりする。

が、面白いことに、両社のフィロソフィーや、モデルのコンセプト、キャラクターは、むしろ正反対といっていい。それは、言ってみれば、スウェーデンとイタリアの違いをよく反映した、テロワールの産物と言うこともできるだろう。

スウェーデンのケーニグセグは、徹頭徹尾、テクノロジーオリエンテッドなブランドだ。小さい頃からモノゴトの仕組みを理解するだけでは飽き足らず、その造り方までを自分自身で解明してきたという“モノづくりスペシャリスト”のクリスチャンは、理想の性能や機能を得るために、決して妥協しない。名だたるサプライヤーが“それは造れない”と言えば、自らそれに立ち向かう。

結果、シャシーやボディ、カウルのみならず、エンジン本体から電子制御マネージメントシステム、オールカーボン製ホイールに強力なブレーキシステムにいたるまで、通常、外注するようなパートを自社で設計し、そのほとんどを自社工場内で生産している。クリスチャン曰く、「タイヤ以外、造れないものはない」。そうやって仕上がった、極上のハイパーカーは、過去に、世界最高速度記録を塗り替えたこともある。クリスチャンの造るマシンは、とにかくベラボーに速い!のだ。

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